お知らせ

【論文】東浩太郎先生らの「ビタミンK不足が認知機能悪化を予測すること」を示した論文が掲載されました。

ビタミンKは、納豆や緑黄色野菜に含まれる脂溶性ビタミンであり、止血に必要なビタミンとして発見されました。一方で、ビタミンKは止血以外の生命現象や高齢者特有の諸病態とも関わっていることが推測されています。ビタミンKは骨粗鬆症の治療薬としても使用されているとともに、ビタミンK不足は、動脈硬化、変形性関節症(軟骨がすり減る病気)、身体的フレイルなどとの関連性も疑われています。

この度、板橋区に在住する高齢者を対象に、血液中のビタミンK不足のマーカーを調べることにより、ビタミンK不足の住民は、正常な認知機能から2年間の間に「軽度認知機能低下」と判定されるレベルの認知機能となる危険性が高いことを示しました。ビタミンKの積極的な摂取が認知症の予防につながるかどうかは、まだわかりませんが、本研究からはビタミンKが認知機能と関わっている可能性が強く推測され、今後メカニズムの解明や認知症の予防法の開発の根拠となることが期待されます。

本成果は、Geriatrics & Gerontolgy International誌に掲載されました。

 

Vitamin K Insufficiency Predicts Cognitive Decline in Community-Dwelling Older Adults: The Otassha Study. Azuma Kotaro, Osuka Yosuke, Kojima Nnarumi, Shida Takashi, Ohta Takahisa, Ogawa Sumito, Sasai Hiroyuki, Inoue Satoshi. Geriatr Gerontol Int. 2025 Oct 28. doi: 10.1111/ggi.70239.

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