お知らせ

加瀬義高先生の共同執筆論文がPloS Oneに掲載されました

体内の間葉系幹細胞を活用し、自律的に血管化組織を形成する新しい再生医療技術を開発 
本研究では、体内に存在するPDGFRα陽性細胞を利用し、移植用細胞の採取や培養を行うことなく、生体内で自律的に血管化組織を形成する新たな組織工学技術「in-body tissue architecture(iBTA)」の有効性を明らかにしました。
従来の細胞移植治療では、細胞の採取・培養・品質管理に加え、免疫拒絶への対応など多くの課題がありました。本研究では、皮下に埋め込んだ鋳型(モールド)内部に、生体内のPDGFRα陽性細胞が自然に集積し、血管を伴う組織構造を形成することを確認しました。マウスを用いた解析では、集積したPDGFRα系譜細胞が血管内皮細胞(Pecam-1陽性細胞)と密接に存在し、多くが血管周囲に局在していました。さらに、これらの細胞はCD73、CD90、CD105といった間葉系幹細胞(MSC)マーカーを発現しており、培養下でも骨・軟骨・脂肪への分化能を保持していることが示されました。
加えて、本技術をブタモデルへ拡張したところ、2週間という短期間で血管構造やコラーゲン沈着を伴う成熟組織の形成が確認され、大型動物においても高い再現性と実用性が示されました。 
本成果は、患者自身の体内に存在する幹細胞を活用して血管化組織を構築する新たな再生医療戦略として、人工血管、軟部組織再建、臓器修復など幅広い応用が期待されます。今後、より低侵襲で安全性の高い自家組織再生技術として、臨床応用への発展が期待されます。

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