ホーム  > 研修について  > 医局員の声

医局員の声

家庭も仕事も両立を(女性)

中学生の頃から、高齢者医療に携わりたいと思い医学部(他大学)に進学したので、老年病科のある東大に入局しました。卒後1年間留学し海外の高齢者医療も体験しました。大学での研修や関連病院での勤務の後、大学院に入学。基礎研究をしながら、臨床も細々続け、専門医も取得しました。
共同研究で知り合った医師と結婚し、子供も生まれましたが、医局や病院の支援があり、フルタイム勤務が続けられ感謝しております。家族やシッターさんの助けもあり、日々の診療・臨床研究に励むことができ、国内外で学会発表も行っております。仕事も家庭のことも、医局スタッフに話せる家庭的な医局です。
高齢者医療に関心のある皆様、どうぞ一緒に診療・教育・研究をしましょう。お待ちしております。

新たな研究に常にチャレンジを(男性)

私は平成14年に東京大学医学部を卒業し、現在の研修制度と異なり卒業時に内科を選択しました。東京大学医学部附属病院、東京都老人医療センター(現在の東京都健康長寿医療センター)にて2年間、総合内科研修を行い、3年目の大学院への進学を機に老年病科を選んで入局しました。
その後約10年、実際に老年病科で働いてきましたが、高齢者は、精神機能、生活環境など様々な要因から身体的な機能低下を来しやすく、急変や救急も多い中で複合的な疾患を包括的に診療することが求められます。現在は認知症、骨粗鬆症を専門とした外来診療、病棟での臨床を行っておりますが、複雑な病態に遭遇する場面が多々あり、日々勉強する毎日です。老年病科では病状に沿った総合的な診療を行うことを目指しており、患者様、ご家族の人生に大きな影響を与える責任を負いますが、医者としてやりがいを持って働ける環境であると思います。
また当科では大学の研究者として成果をあげることも要求されます。実験、論文作成を臨床と両立する厳しい世界ですが、一般病院で医者をする場合と異なり貴重な経験を積むことが可能です。私のこれまでの業績は核内受容体の癌における作用機序を中心とした基礎的な研究が主ですが、老年医学(図参照)は老化・癌・認知症・骨粗鬆症のメカニズムなど生命医学の根本に関わる広い分野であり、研究対象として大変面白いと思っております。また研究生活では、厳しい審査の後に学術誌に論文が受理された時や学会での受賞など成果が認められた時は、臨床では経験できない達成感を味合うこともできます。
近年、高齢者の急増に伴い老年科医は社会から最もニーズの高い医師であるのは間違いありません。また加齢性疾患に対する再生医療など、老年医学は日々新たな研究成果が発表され、目まぐるしく進歩している分野です。私自身も常に社会や最先端医学に目を向け、新たなことにチャレンジしていきたいと思っています。

老化
  • 老化のメカニズム
  • サルコペニア
  • 性ホルモン
加齢性疾患
  • 骨粗鬆症
  • 認知症
抗加齢
  • 再生医療

充実した大学院生活(男性)

市中病院での初期研修後、老年病科専門研修プログラムの一環として関連病院の循環器内科で後期研修を行わせて頂きました。そして当院老年病科で診療に従事し、大学院生として基礎研究を行っております。
私が老年学を志したきっかけは、学生の頃にクリニカルクラークシップで老年病科の先生方にお世話になった事がきっかけとなります。当時より高齢者の循環器領域に関心を抱いておりましたが、病棟の先生方と高齢者医療を経験させて頂く中で、老年医学への思いをより一層強く持ちました。臓器別診療科が各々の診療に当たるのが主流であった中、老年病科の先生方が個々のサブスペシャリティを結集し、全人的かつ包括的に高齢者診療を行う姿に感銘をうけた事を未だに鮮明に記憶しております。
老年病専門医は勿論の事、循環器専門医等の個々の専門医取得のサポート体制も手厚いです。研究に関しても指導体制が非常に整っており、充実した大学院生活を送っております。
我が国で最も歴史のある老年病学教室で、アットホームな雰囲気の中、高齢者医療における臨床や研究に従事できる環境が当科にはあります。


実験風景

自分の希望のサブスペシャリティで(女性)

卒後12年目でサブスペシャリティーは循環器です。旧体制の研修制度になりますが、1年目の研修は東大病院での内科ローテーション、2年目の研修は東芝病院での内科研修でした。もともと学生時代から循環器に興味を持っていたのですが、当時の循環器内科は朝から晩まで心臓カテーテル検査を行い、夜は急性心筋梗塞で呼び出しがあるといった体制のところが多く、体力の問題もあり、やっていけるか心配な面がありました。東大病院でのローテーションで老年病科を回った際に、当時の大内教授から、「老年病科でも循環器の勉強や研究はできるし、カテ中心ではないから体力が不安でも大丈夫」というアドバイスをいただき、それならば、ということで老年病科への入局を決めました。3年目は自治医大のさいたま医療センターの循環器科へシニアレジデントとして朝も夜もなくどっぷりと循環器の世界につかり、一から勉強させてもらいました。4年目からは東大に戻り、老年病科の大学院生として今度は研究の世界にどっぷりとつかりました。「脂肪脂肪内eNOSの役割の解明」という興味深い課題をいただき、臨床とはまた違う厳しさの中での生活となりました。優秀で厳しい先生方にびしばしとしごかれながらも、研究室の仲間と和気あいあいと過ごしたのを懐かしく思います。また、循環器学会、動脈硬化学会、老年病学会、AHA(American Heart association Scientific Sessions)、IAGG (International Association of Gerontology and Geriatrics)といった各種学会での発表の機会も多くあり、みんなで参加し、美味しいものを食べたり、観光をしたりと厳しい研究生活の中にも楽しいイベントが多くありました。大学院卒業後は研究を続けながら老年病科の病棟で中ベンとして働いていましたが、もう少し循環器臨床を学ぶために、再度さいたま医療センターへ出向させてもらい、心臓超音波をはじめ、心臓CT、心臓MRIといった非侵襲的な検査を学び、侵襲的な検査が難しい高齢者医療に役立てています。老年病科はバリバリとでも、マイペースにゆっくりとでも個人に合わせてやらせてもらえますし、アットホームな医局だと思います。

女性医師としてのキャリアの研鑚(女性)

学生時代、高齢者へのボランティアがきっかけで老年医学に興味を持つようになった私は、医師となってから日本で高齢者の急性期医療から慢性期医療、米国で高齢者を地域でどう支えていくかといった老年学を学んできました。医師として診断や治療はもちろんのこと、ポリファーマーシー、End of life Careのあり方や患者さんの残りの人生をどのように過ごしていただくかなど老年学を包括的に学び、研究していきたいと思い、当科へ入局しました。育児中の私が大学で働けるのか当初は不安がありましたが、当科は教授を始めスタッフがとても温かく親身になってくれ、私の状況に合わせた勤務設定を提案してくれました。在宅医療にも興味があり、OBの先生の診療所でも勤務しております。当科のスタッフからはもちろんのこと、歳を重ねて身体的な衰えはあっても様々な経験とresilienceを得てこられた高齢者の患者さんから、色々なことを教えて頂いている毎日です。
老年医学は、働けば働くほど、学べば学ぶほど、患者さんと接すれば接するほど、魅力が深まっていく領域です。ぜひ、一度見学にいらして下さい。そして一緒に学んでいきましょう。